鍼治療は、単に鍼を刺すだけでは効果が出ません。
適切な場所に、適切な深さで、適切な刺激を加えることで、初めて効果的な治療となります。
・適切な場所(ツボ)
たとえば、首や肩のコリと一言で言っても、これだけの筋肉が存在します。
この中から、硬くこっている筋肉を正確に探し出さなくてはなりません。
それは、小さな一点かもしれませんし、500円玉大の大きさかもしれません。
いずれにせよ、いかに正確に探し出すかが、重要になります。
・適切な深さ
首の筋肉を輪切りにした図です。
筋肉には厚みがあり、場所によって何層も重なっています。
奥の筋肉の表面が硬いのかもしれませんし、表面の筋肉の奥が硬いかもしれません。
感覚を集中させながら鍼を入れていき、どの深さに硬い部分があるかを見極めていきます。
・適切な刺激量
適切な刺激量は、個人差が非常に大きいです。
硬い部分に鍼が到達し、一度当てるだけで十分な人もいます。
逆に、硬い部分を何度も貫くように上下させ、ズンと響くような刺激を好む人もいます。
刺激量が少なすぎれば効果はありませんし、多すぎれば、逆に痛みが強くなったりします。
これらを正確に行うことが、鍼を施術するうえで最も重要となります。
私たちは、指の感覚を養い、患者さんとのコミュニケーションを密に取り
適切で効果的な鍼を提供できるよう、常に研鑽を重ねております。
参照:効かない鍼治療、なぜ?