足三里というツボは、足のスネの上端付近にあります。
江戸時代の俳人、松尾芭蕉が、おくのほそ道の中で
「ももひきの破れをつづり、傘の緒つけかへて、三里に灸すうるより、松島の月まづ心にかかりて……」
と綴っており、この三里というのが、足三里のツボのことなのです。
江戸時代は、車はもちろん自転車のような乗り物は無く、運動靴のような歩きやすい履物もありません。
足袋を履いて、徒歩で一日何十キロも移動するのが当たり前だった時代です。
しかし、移動の前に足三里に灸をすると、足が疲れにくく長い距離を歩くことが出来るとできたといいます。
当時は、足の養生のツボとしてポピュラーだったのです。